神戸の店舗デザイン・設計 gio design(ジオデザイン)

神戸にある店舗デザイン・設計のgio design(ジオデザイン)。

ジオデザインのメモ書き

設計の視点 2025.8.25

美容室の設計、最初に考えるべき「動線」の話

少し前、美容室の設計打合せで初めてオーナー様と顔を合わせた時のこと。

 

ご挨拶を終えるとすぐに、

「このあたりがカットスペースかな」「シャンプーはこっちに持ってきたいんです」

…などと自然にレイアウトやデザインの話が始まりました。

 

特に資料があるわけでもなく、会話だけで感覚的に空間の構成が見えてくる。

相手も現場経験が豊富なプロなので、やり取りがとてもスムーズでした。

そしてその時、不意に思い出したのが――自分がこの仕事に就いたばかりの頃のこと。

 

 

「設計を始めたばかりの自分には“動線”すら分からなかった」

 

当時の自分は美容室に必要な機能も設備も知らず、図面もまともに描けない状態でした。

そもそも平面図を見ても、それが何を示しているのかも理解できていなかったと思います。(笑)

そんなある日、師匠にこんなことを言われました。

 

「お客様側とスタッフ側、それぞれの“動線”を考えてみれば、必要なものが見えてくるよ」

 

言われた瞬間は「…いや、それが難しいんやって」と思っていたのですが(苦笑)、

今振り返るとこの言葉がとても大事な“設計の視点”だったのだと思います。

 

 

「動線」から考える美容室設計

 

その時に下の図のように説明されたのを覚えています。(メモしていたノートは紛失、、)

 

 

この図のように、「お客様がどう動くか」「スタッフがどこを通ってどう作業するか」

そういった視点で空間を区切っていくと、必要な機能が自然と浮かび上がってきます。

最初は複雑に思えても、要素を分解してみると意外とシンプルに整理できたり。

 

 

忘れてはいけない「収納」と「居場所」

 

美容室設計で意外と見落とされがちなのが、「使っていない時の道具の居場所」です。

例えば、、、、ローラーボウルはどこに置く?

ワゴンは使わない時、どこに収納する?

お客様の手荷物やコートを置くスペースは?

こういった所も設計段階で考えておかないと、スタイリッシュに仕上げた空間もごちゃっとなって台無しに…。

 

 

設計の仕事は「忘れ物をしない」こと

 

意匠デザインや素材選び、レイアウト構成は、みんなが注目する部分です。

でもそれ以上に設計者が気をつけるべきなのは、使う人が「しまった」とならないように先回りすること。

設計段階での“忘れ物”をなくすことこそが、設計者の仕事だと思います。

そしてそれは、動線をイメージしておくことで、かなりの部分が解決できると考えています。

 

 

最後に

 

今回の打合せを通して、自分が自然と“動線”を意識して話をしていたことに

この年になって気付き、何だかうれしかったです。(笑)

設計者として、忘れずに大切にしていきたい視点だと改めて感じました。

 

「動線を考えること=その空間で働く人、訪れる人の動きを想像すること」

美容室に限らず、どんな空間にも言える設計の基本かもしれません。

 

 

 

【過去の美容室デザイン実績】

 

hair room Re;fa

 


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