設計の視点　2022.10.24

二次災害から体を守る0.18mmのシート

いきなりですが、防煙垂れ壁って知ってますか？

※防煙垂れ壁・・・火災で発生した煙の移動を一時的に防ぐ為の設備。

火災時には、避難する時間を少しでも長くするという役割を担っています。

商業施設に行けば必ずと言っていいほど設置されていますので、皆さん見たことはあると思います。

こんなのです。（これはガラスの防煙垂れ壁。）

お店のファサードなんかにもよくあります。

これも。

これも実は防煙垂れ壁です。

必ず目にしているかなと思います。(^^)

８月に改装工事をした「ママフル上新庄店」のファサードにもこの防煙垂れ壁が設置されていました。

このショッピングセンターは天井がそこまでに高くない為、垂れ壁があると圧迫感を感じてしまう。

この垂れ壁を無くすことは出来ないのか？という所から改装工事のお話は始まりました。

しかし、この防煙垂れ壁は法的に無くすことは出来ないのです。(..)汗

そうなると次に出てくる課題は「じゃあ透明にすることは？？」ですよね。。

今までだと透明にするなら、一番最初に載せている様なガラスの防煙垂れ壁になります。

でもガラスにするには、施工が大変・金額が高い・距離が長いので繋ぎ目がたくさん出る、、、等々。

そう簡単にガラスにも出来ず、、、、

そんな困った時に登場したのがコレ！！

わずか０．１８ｍｍの不燃シート「かる壁」。( ﾟДﾟ)

メチャクチャ薄いですよね。

勿論軽いし、施工性もかなり良いです。

コーナー部分に付ける金物もスリムですし、

角度のついている部分も対応可能。

長い距離も繋ぎ目なく、一発でいけるので見た目もスッキリと綺麗です。

何とかご要望に沿う設計をすることが出来ました。<(_ _)>

パッと見た時は、垂れ壁の存在に気付かないぐらい透明度も高かったです。

そもそも、こういった場所の防煙垂れ壁は基本的にB工事なんですよね。(^^;

（B工事については、過去に書いたこちらの記事をどうぞ！）

商業施設で忘れられがち、B工事費用。

今回は工事期間の問題や施工金額の事もあり、特例でC工事とさせていただきました。

（こんなの初めて。汗）

最初は単純に薄くて軽いものという程度の感覚で、垂れ壁商品を探していたのですが

色々な資料を見ていく中で、ガラスの垂れ壁ってちょっと危険だという事に気が付きました。

地震があった時などの二次災害が多いみたい。

（ガラスが割れたり、落ちてきたり。）

結構怖いですよね。

そこで、たまたま見つけたのがこの不燃シート。

見た目も良く安全にも配慮されている最高の商品だと思います。(^^)

今後はこのような防煙垂れ壁が増えるのではないでしょうか、、、、

と思って業者さんに質問してみたら、今とても忙しいそうです。

将来はシート状の防煙垂れ壁が煙からも二次災害からも僕たちを守ってくれるでしょう！

【ママフル上新庄店に関するメモ書き】

ママフル上新庄店改装工事

gio designが取り組んでいるプロジェクトのご紹介。