
その工事、想像の3倍します ― 商業施設B工事の実話
「え、これだけでそんなにするの?」
これは、実際にあった防災設備のB工事でクライアントの方が驚かれたときの言葉です。
とある商業施設で、飲食店の居抜き物件を物販・サービス店にリニューアルするという計画がありました。
厨房区画は残すことが条件でしたが、それに付随する防災設備の調整が必要だったんです。
内容はとてもシンプル。
スプリンクラーヘッドの交換(3カ所)熱感知器から煙感知器への交換(2カ所)これだけです。
たった5カ所の設備変更。
ところが、見積りが出てきて驚きました。
その金額、なんと約87万円!!( ゚Д゚)
B工事の“からくり”
この金額、決して見積ミスでも法外な請求でもありません。
「B工事」という、商業施設ならではの工事区分の中で正規の業者が施工するとなると、
これくらいは掛かってしまうことは普通にあります。
特に防災設備に関しては、施設側が指定する専門業者しか施工できないケースが多く、
価格の自由競争が起こりにくい環境でもあります。
商業施設に出店するなら知っておきたいこと
商業施設に出店するメリットはたくさんあります。
人通り、ブランド価値、施設としての安心感。
でも同時に、設計とは別で「施設のルールに従うためのコスト」が発生します。
特に防災系のB工事は金額がかさみやすく、たった数カ所の工事でも予算を大きく圧迫することがあります。
もし、初期投資を抑えたいと考えているなら商業施設だけでなく、路面店の良条件物件を選択肢に入れても良いかもしれません。
商業施設を否定したいわけではありません
もちろん、これは商業施設を否定する話ではありません。
施設に入ることで得られる恩恵は確かにあります。
ただ、事前にこうした「見えにくいコスト」を把握しておかないと、
予算オーバーでやりたいことができなかったり、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう可能性もあります。
たった5カ所の工事で87万円。
「それって本当に必要?」と疑いたくなる気持ちもありますが、
施設運営側とのルールの中で空間をつくるには、どうしても避けられない部分もあります。
出店を検討する際は、内装費だけでなく
“施設に合わせるための費用”
これが必要になることも想定して、しっかりと計画を立てていきましょう。
【その他のメモ書き】