
ラフスケッチから始まる、ちょっと特殊な仕事。
いつもお世話になっている工務店さんから、「ビルの共用通路のデザインを考えてほしい」という連絡をいただきました。
ただ今回は、最初から条件がはっきりしていました。
予算には限りがあり、きっちりとした設計図やデザインまでを求めるというよりは、
「方向性が分かるラフなイメージを提案して欲しい」という相談でした。
このような形の仕事は正直なところ、誰とでも受けるわけではありません。
普段から一緒に仕事をしていて、考え方や仕事への向き合い方をよく知っている工務店さんだからこそ、
「この距離感なら大丈夫だな」と自然に思えた、というのが大きいです。
ラフスケッチで伝えたこと
エントランス部分のラフスケッチ
3F テナント入り口のスケッチ
ラフスケッチを描き、細かい寸法や納まりというよりも空間の考え方や、目指す雰囲気を中心に伝えました。
ラフ案でも「何を大事にしたいか」「どういう方向に持っていきたいか」は、十分に共有できます。
ただし、ラフはあくまでラフ。
この段階では、最終的にどう仕上がるかまでは決めきらない、という前提のやり取りになります。
結局、現場での打合せが必要に
エントランス現状の雰囲気
その後、「やっぱり一度現地で確認したいです」という連絡があり、現場で打合せをしました。
実際の現場を見ながら、「ここはどう納めるか」「実際はもう少しこうしたい」そんな話を一つずつ整理していく。
やはり、現場での会話は欠かせないと改めて実感。
いつもそうですが、図面だけでは伝わらないことがある。
逆に、話すことで一気に方向が定まることもあります。
ラフ案という関わり方
ラフスケッチでの提案は、完成形までを決め切る設計とは役割が少し違います。
最終的な納まりや判断は、工務店さんと施主さんが進めていく。
その前段階として、「考え方の軸」を共有するための仕事。
お互いのスタンスが分かっていないと、成立しにくい関わり方だとも思います。
今回の仕事を通して
ラフ案でもデザインはできます。
でも、ラフにはラフなりの限界もある。
図面はやっぱり大事。そして、現場で話すことも同じくらい大事。
最終的にどう仕上がるのかはお楽しみという感じです。
ただ、この工務店さんとなら、きっと良い着地になるだろうなという感覚。
また進捗が出てきたら、書いていこうと思います。(^^)
【デザイン実績】









